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  • 査定事例 ~細菌培養同定検査の算定回数~

    査定事例 ~細菌培養同定検査の算定回数~

    こんにちは、原嶋企画です。今日は表題にありますように、実際にあった細菌培養同定検査の査定についてお話します。
     

    ◇査定項目 事由B 細菌培養同定検査(消化管)△190点
    (※改正前の為、200点でなく190点となっています。)
     
     本レセプトについては、嘔気及び血便症状のある患者に対してCSを実施し、感染性腸炎疑いにて盲腸・回盲部より細菌培養を提出。細菌培養同定検査(消化管)190点×2を請求したが、1回のみに査定。過剰・重複による査定となってしまいました。
    今回のケースは、担当看護師より細菌培養を盲腸と回盲部より2か所実施した旨の報告があり、請求事務担当が報告通り2部位として請求を行ったものでした。 
    細菌培養同定検査について、早見表に記載されている文言は以下のとおりです。
     
    ◇算定要件
    エ)症状等から同一起因菌によると判断される場合であって、当該起因菌を検索する目的で異なった部位から、又は同一部位の数か所から検体を採取した場合は、主たる部位又は1か所のみの所定点数を算定する。ただし、血液を2か所以上から採取した場合に限り、「3」の血液又は穿刺液を2回算定できる。この場合、「注1」及び「注2」の加算は2回算定できる。
     
    今回のレセプトでは「細菌培養同定検査190点×2」から「細菌培養同定検査190点×1」への査定です。算定要件にあるとおり、異なった部位から、又は同一部位の数か所から検体を採取しても1回しか算定できないとなります。ですが、「同一起因菌によると判断される場合」とありますので、起因菌が複数ある場合は認められるのではないかという解釈もできます。
     
     
     
     
    ◇査定理由
    異なった部位、同一部位から検体を採取した場合は主たる部位又は1か所しか算定できない。
     
    ◇対応策
    今回のケースでは、同一起因菌でないかということがひとつの焦点となります。医師に確認を行い、複数の起因菌を疑って行われたのであれば、詳記をつけて再請求を行う。同一起因菌であれば算定は原審どおり1回となる。

    レセプトは様々な職種が関わって完成します。医師は症状に対して必要である診療行為を判断し実施します。看護師も処置等を実施します。それらの請求を行うのは事務になります。算定要件である解釈や請求方法について先生方は事務を信頼して託しています。病名だけで請求するには不十分と思われる場合は、先生方に相談して詳記をつけるのが良いでしょう。請求に足るストーリーのあるレセプトを作成することが、審査側に理解してもらうための重要な要素になります。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 査定事例 ~尿素呼気試験(UBT)~

    査定事例 ~尿素呼気試験(UBT)~

    今回、査定があった事例は「尿素呼気試験(UBT)」になります。
    何故査定されたのか、みていきましょう。

    ◇査定項目 尿素呼気試験(UBT)△70点 + 
    微生物学的検査判断料 △150点

    当該レセプトは、胃カメラにて胃炎の診断を受けた患者に対して、ヘリコバクター・ピロリ感染症の診断がなされ除菌及び除菌後感染診断を行ったものでした。 
    では算定要件を確認しましょう。
     
    ◇算定要件
    5 除菌後の感染診断(除菌判定)
    (1)除菌後の感染診断については、3の除菌終了後4週間以上経過した患者に対し、ヘリコバクター・ピロリの除菌判定のために2に掲げる検査法のうちいずれかの方法を実施した場合に1項目のみ算定できる。ただし、検査の結果、ヘリコバクター・ピロリ陰性となった患者に対して、異なる検査法により再度検査を実施した場合に限り、さらに1項目に限り算定できる。
     
    ◇査定理由
    除菌終了日から4週間経過していないにもかかわらず尿素呼気試験を実施。
     
    ◇対応策
    予約を取る際に、4週間以上経過しているか確認をする。

     
    本件については、除菌終了日から4週間経過していないにもかかわらず尿素呼気試験を実施していました。検査予約をする場合は除菌終了日がいつなのか、そこから4週間以上経過しているかを慎重に確認する必要があります。日々行っている業務でも再確認を行ったり、他の人にダブルチェックをしてもらうなど誤りを防ぐようにしていきましょう。
     
    また、ヘリコバクター・ピロリ感染の診断及び治療に関する請求については、取り決めが多く存在します。PPI製剤の休薬や、抗体測定実施は除菌終了後6カ月以上経過していることなど細かく算定要件が定められています。他にもレセプトコードの入力が必要です。請求する場合は注意しましょう。

    請求方法等で不明なことがありましたら、是非ご相談ください。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 査定事例 ~在宅自己注射における導入初期加算~

    査定事例 ~在宅自己注射における導入初期加算~

    こんにちは、原嶋企画です。
    今回は実際にあった査定事例についてお話させていただきます。
     
    ◇査定項目 事由D 導入初期加算(在宅自己注射指導管理料)△580点
     
     当該レセプトでは、在宅自己注射指導管理料を算定している糖尿病患者において、オゼンピックからトルリシティに処方変更したため、導入初期加算を算定しましたが、本件の導入初期加算の算定は認められず査定になりました。
    何故、査定されたのか理由を確認していきましょう。
    早見表に記載されている文言は以下のとおりです。
     
    ◇算定要件
    注3 処方の内容に変更があった場合には、(中略)当該指導を行った日の属する月から起算して1月を限度として、1回に限り導入初期加算を算定できる。
     
    (10)「注3」に規定する「処方の内容に変更があった場合」とは、処方された特掲診療料の施設基準等の別表第9に掲げる注射薬に変更があった場合をいう。また、先発バイオ医薬品とバイオ後続品の変更を行った場合及びバイオ後続品から先発バイオ医薬品が同一であるバイオ後続品に変更した場合には算定できない。なお、過去1年以内に処方されたことがある特掲診療料の施設基準等の別表第9に掲げる注射薬に変更した場合は、算定できない。
     
    今回のオゼンピック(セマグルチド)とトルリシティ(デュラグルチド)は、ともにGLP-1受容体作動薬になります。別表第9には「グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト」と記載されています。GLP-1受容体作動薬から別のGLP-1受容体作動薬への変更であり、「別表第9にある注射薬に変更があった場合」には該当しないために査定されたことがわかりました。
     
     
    ◇査定理由
    オゼンピックとトルリシティは両方ともGLP-1受容体作動薬のため、処方内容の変更には該当しない。
     
    糖尿病患者の在宅自己注射で処方内容に変更があった場合により算定できるのはインスリン製剤からGLP-1受容体作動薬へ変更となった場合、またはその逆の場合のみとなる。
     
    ◇対応策
    処方内容の変更で導入初期加算を算定する場合は、別表第9に掲げる注射薬の確認を行うことが必要である。
    ※過去1年以内に処方されたことがある特掲診療料の施設基準等の別表第9に掲げる注射薬に変更した場合は、算定できないので注意すること。
     
     
    今回の事例は、製造元での供給停止により注射薬の変更が必要になった為、発生しました。今後も同じような事例で注射薬が変更になることがあるでしょう。同じような査定を防ぐ為にも、インスリン製剤なのか、また算定要件にあてはまっているのか確認したうえで算定を行うようにしましょう。
    医療事務の方は、広い知識と読解力が求められ大変かと思いますが、ともに頑張っていきましょう。

    元記事: note(原嶋企画)

  • レセプトの査定・返戻とは

    レセプトの査定・返戻とは

    医療機関は毎月10日に支払基金・国保連合会へレセプトを請求します。診療報酬の原資は国民が納付する税金や保険料等です。診療報酬は医療法や療養担当規則等を遵守し行った医療行為に対して支払われるものになるので、第三者である審査機関が適正か審査し判断をします。今回は保険請求に係る査定・返戻の基礎知識についてお話いたします。

    【返戻とは】

    審査の結果、記載事項の不備や不明等により、医療行為の適否の判断ができなかった場合など、請求内容に疑義が生じた場合にレセプトが医療機関に差し戻されることを返戻といいます。返戻事例で多いのは保険証の登録誤りや氏名等患者データの誤りです。保険証をスキャン・コピーするなど地道な対策が重要です。
    返戻内容に対して修正・追記等を行い再請求が可能ですが、診療報酬の支払いが遅れるので該当件数が多いと経営に影響が出ます。

    【査定とは】

    審査の結果、保険診療のルール上不適当であると判断された場合に減点、調整されることを査定と言います。医療機関には「増減点連絡書(通知書)」にて通知されます。
    また、査定事由ごとに記号が定められています。
    〔A〕    医学的に適当と認められないもの(病名漏れ、薬剤や診療行為の適応外等)
    〔B〕    医学的に過剰、重複と認められるもの(薬の過剰投与、診療行為の過剰等)
    〔C〕    A・B以外の医学的理由により適当と認められないもの(薬剤禁忌等)
    〔D〕   告示・通知に示された算定要件に診療行為が合致してないと思われるもの
       (告示や通知、疑義解釈等に示された算定要件に合わないもの)
    〔J〕 縦覧点検によるもの
    (過去のレセプトと併せて審査する。
     3月に1回等算定期間が定められている診療行為等)
    〔Y〕 横覧点検によるもの
    (入院・外来レセプトを照合したもの。退院後1ヵ月以内は算定不可等)
    〔T〕 突合点検によるもの
    (薬局のレセプトと照合される。院外処方箋を発行した医療機関から減点される)
    〔F~K〕事務上に関するもの
    (F固定点数誤り、G請求点数集計誤り、H縦計計算誤り、Kその他)

    ※都道府県によって、記号等の表現が異なることがあります。
     

    査定に対しては、再審査請求(医療機関再審査)をすることができます。支払基金・国保連合会の定めた様式を作成し請求します。再審査請求期限は原則6カ月となります。再審査の結果、請求が認められると「復活」「一部復活」として後日、診療報酬が支払われます。「原審通り」となると請求は認められません。また、保険者が審査支払機関の結果に納得がいかない場合に行われる再審査(保険者再審査)も存在します。
     
    診療報酬は医療機関の経営を支える要となります。患者さんから信頼され、地域に必要とされる医療機関であっても診療報酬を疎かにしてしまえば自院の存続に影響が生じます。

    審査機関側は機械的な審査を進めています。医療機関側もレセプトチェックソフトの導入や自院用のカスタマイズ、査定返戻対策を行い診療報酬の減収を防ぐことが重要になります。

    元記事: note(原嶋企画)

  • コミュニケーション=増収?

    コミュニケーション=増収?

    今回はどのクリニックにも絶対にいるであろう事務員さんのお話しをさせたいただきます。彼らは患者さんの対応から会計計算まで様々な事を行なっています。そんな彼らに関わる頻度が少ないという先生方は多いのではないでしょうか。

    さて、話は変わりますが返戻や査定などのチェックはどのように行なっていますか?
    それらを解決するには日頃から彼らに声掛けをしておくと査定返戻の減少に繋がるかもしれません。請求に直結する悩みを、事務員さんは日頃抱いている事が多いです。

    例えば、診療行為のオーダ入力はどなたが行なっていますか?
    ここで多いのがオーダ忘れです。現場の仕事をしながらコンピュータ入力することで忘れがちになり算定できる項目が漏れたりします。事務員がしているなら現場で何が行われているか把握をしなければなりません。

    医療現場でも、電子カルテ化や医療DXなどIT化が必須となっていますが、システムを作るのも使うのも人間です。使うもの同士のコミュニケーションが円滑に行われていなければ、問題点や解決策を出すことはできません。日頃から、声を掛け合い話しやすい環境を作ることで隠れていた問題点が早期に発見できることもあります。抱え込んでしまわれては改善もできません。

    あるクリニックではマイナンバー読み込みの機械を導入していたにも関わらず、面倒だからと事務員が使うことをしていなかった。ということがあったそうです。

    1番怖いのは沈黙です。沈黙の裏に隠していること、やらなかったことが隠されているかもしれません。また、事務員が問題点を現場に指摘しても改善されない事象もあります。残念ながら専門職でない彼らの声は届きにくいという環境があります。

    多職種がコミュニケーションを取り合える職場であることが、ひいては良き経営に繋がるかもしれません。事務員だけでなく清掃の方だったり日頃、話していない人がいたら、声を掛けてみてはいかがでしょうか?意外な発見があるかもしれません。

    元記事: note(原嶋企画)