タグ: 超高齢化社会

  • これからの在宅医療に求められるもの

    これからの在宅医療に求められるもの

    日本では外来受診の回数が諸外国に比べて非常に多いといわれています。

    少しでも不安があれば医療機関へ行き診察を受けることができる現在の医療制度は他国に比べて良い環境にあると言えるでしょう。ですが、超高齢化社会において医療機関に行くこと自体が負担である人は多く、ケアする家族の負担も増し在宅医療のニーズは年々高まっています。ですが、令和6年度改定では頻回な往診における在宅患者訪問診療料の逓減等、見直しがありました。

    患者さんのニーズと乖離する診療報酬の減算、マンパワーの不足など不安材料は尽きません。今後の日本ではどのような在宅医療が展開されていくべきなのか。 

    検討材料の一つとして、諸外国の在宅医療についてお話します。

    【イギリス】
    NHS(National Health Service)と呼ばれる国民保健サービスがあり、訪問医療はGP(General Practitioner)、District Nurseといった一般家庭医と地域看護師で行われている。
    訪問診療よりも電話診療が多く、在宅医療においては地域看護師がメインとなっている。
    包帯交換、注射、投薬管理等限定的な医療行為を行っているが、看護師の数は減少しており業務負荷が増大している。

    【アメリカ】
    在宅ケア事業者HHA(Home-Healthcare Agency)等が在宅医療を担っている。
    医師の指示・承認のもと、看護師主体のチームが在宅医療ケアを提供している。
    なお、アメリカでは医療保険制度は対象者が決まっており、65歳以上の高齢者、障害者、透析患者はメディケアという公的保険制度に加入可能、低所得者はメディケイドに加入ができる。それ以外は個人が保険会社に加入するかたちになっている。
    いずれにしても高額な費用がかかるため在宅医療が選ばれやすい。

    【フランス】
    HAD(Hospitalization à Domicile)という在宅入院機関が提供する高度医療サービスに特化した在宅医療が存在する。在宅でも入院と同等の医療を提供することで入院期間の短縮と居宅生活への円滑な移行ができるよう支援することを主な目的としている。
    病院の医療チームと個人開業者が協働し、「時限的医療(化学療法、抗生物質療法等)」「在宅リハビリ」「終末期医療」を行っている。
    基本的に医師は訪問せず、病診連携、コーディネート、書類作成等を担当している。

    【今後の日本における在宅医療の課題】

    ・医師の業務軽減、コメディカルの増員
    ・給与、勤務体制の改善
    ・人材育成・教育
    ・ケアする家族等のサポート

    海外では医師の訪問は少なく、コメディカルによる訪問や遠隔医療が普及しています。医師は貴重な資源であり、守るべきものと捉えられているからです。

    ですが、医師の代わりに多くの人を雇えば解決するという問題ではありません。

    経験に乏しい人材を採用することで業務精度が落ち、さらには離職率も増える可能性があります。人材育成を行い、コメディカルの専門性を高め、能力に沿った待遇やサポートを行う等といった将来に繋げるために人自体に投資をすることが重要になるでしょう。

    他には介護者である家族に在宅医療に取り組んでもらうために、家族に対して支援を行う体制を構築する必要もあります。これは医師等による訪問回数を減らし、将来的な医療費抑制にも繋がります。ですが、すぐに実現することは難しいでしょう。

    以前の記事でご紹介しました、Smart Home Doctorの往診サポートサービスを利用していただくことで現場の過重労働を防ぎ、支援を得ることが可能です。

    ご興味がありましたら、是非お問い合わせください。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 2040年問題と人材育成・確保

    2040年問題と人材育成・確保

    すでに始まっていると言える団塊の世代が後期高齢を迎える2025年問題の先に、2040年問題が叫ばれています。医療・介護事業は増員が求められるのに対して、働き手は不足します。医療費の増加、経済逼迫により社会保険費は増加し国民一人一人の課税は更に増え、働く側の心身が疲弊していく中で、人材育成・確保は避けて通れない問題です。

    ◇2040年問題が医療業界に与える影響

    ➢ 2040年に必要と見込まれる医療・福祉就業者数は1,070万人。
    ➢ 一方で、その時点で確保が見込まれる医療・福祉就業者数は、974万人と推計。
    (厚生省より)

    では、これらの問題に対してどのように対応すればよいのでしょうか。

    ◇人材確保の具体策

    ・待遇改善
     ベースアップ評価料や介護職員等特定処遇改善加算が作られるなど政府も働き方や給与に対して注視しています。雇用時のまま、給与体系の見直しを行っていないことが従業員の離職にもつながります。定期的に資格や業務能力に対して客観的な評価を行うことが大切です。スキルがない従業員でも勤続年数等に見合った定期昇給を行うなど職員全体の給与を気にかけているという姿勢が重要になります。業務については定期的な分析を行い、見直すことで無駄な業務の削減を行い、各自の専門性が発揮できるような職場作りを行うと良いでしょう。

    ・ICT(情報通信技術)による業務効率化
     インターネット等のネットワークを利用し業務を電子化、情報の一元化と共有を行うことで個々の業務負担が改善されます。電子化することで転帰やコピーが不要となり、資料を探す時間やコピー用紙等のコスト削減につながります。業務の明確化と役割分担を徹底することで、生産性向上へと繋げることができます。

    ・子育て世代・若手世代が働きやすい制度
     医療業界は女性の働き手が多く、出産や育児等でワークバランスをとるのが難しいと離職する人も多いです。現代では育休は性別関係なく取得するのがあたりまえの権利となっています。そうした世代が働き続けたいと思える勤務体制・給与形態をつくることが離職防止につながります。また、若手世代が就職時に重要視する上位ワードは、「残業・休日出勤」「在宅勤務」「フレックスタイム」となっています。性別問わず子育て世代・若手世代を活躍させ、従業員育成を行うことは組織にとって非常に重要です。また求人についてSNS活用、若手社員のインタビュー掲載、ネット上のパンフレットなど充実したコンテンツを作成し継続することで求人応募増加、採用の成功につながります。

    ・研修への参加
     企業も人も成長し学びを得ることが大切です。スキルアップ、最新の情報収集を行うことを疎かにしてはなりません。ですが、自らの意思で自発的に研修に行く従業員は少ないでしょう。経営する側が機会と場を与えなければなりません。今はオンライン研修なども多く、現地に行かなくても参加できる研修は多くあります。他を知ることで、良い焦りがうまれ成長に繋がり、自身や現場の風土を見直す気付きを得ることができます。また、他施設等と新たなコミュニケーションを得ることも期待できます。

    2040年問題は社会に大きい影響を与えます。また、今後も訪問看護、地域医療のニーズは増え、AI・ICT等を使いこなすことが重要視されます。また、超高齢化社会の先に求められる医療のニーズも変化していくでしょう。内閣府ではムーンショット型研究開発事業を発足する等し、健康医療分野に力をいれています。

    これからの時代に先んじて動けるように、私共原嶋企画は先生方をサポートしてまいります。

    元記事: note(原嶋企画)