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  • 令和6年12月からの医療情報取得加算の変更点について

    令和6年12月からの医療情報取得加算の変更点について

    令和6年7月17日に開催された中央社会保険医療協議会にて、令和6年12月からの医療DX推進体制整備加算の取り扱いに対する答申が行われ、即日取りまとめられました。

    現行の健康保険証の発行は令和6年12月に終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行することから、本項目に対して評価の見直しが行われました。

    具体的な内容は、マイナ保険証の利用の有無に着目した加算の点数差を見直し、標準的な問診票や、オンライン資格確認等システムからマイナ保険証を通じて取得された医療情報等の活用による質の高い医療の評価へと見直すというものです。 

    厚生省からはいずれのケースでも医療情報取得加算は初診時・再診時ともに1点とする案が提案されました。支払側は加算自体の廃止を主張していましたが、診療側は廃止の主張は受け入れることはできないと述べられ、厚生省からの提案どおり1点へ統一され、本加算は継続されることになりました。
     
    ◇医療情報取得加算 ※令和6年12月1日より適用
     
    ・初診料(月に1回) ・・・ 1点
    ・再診料・外来診療料(3月に1回) ・・・ 1点

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    12月以降はマイナ保険証を基本とするものの、現行の保険証と資格確認証の利用が混在することになります。診療側からは答申に当たり、医療DXの推進及び取組みに全面的に協力していくこと、また、マイナンバーを持っていない人や、制度に抵抗がある人もいることから、医療機関等は医療DXの対応に苦慮しているところが少なくない。医療機関及び薬局のみが責務を負うことなく、国及び保険者においても推進していくよう改めて求める旨を述べられました。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 医療DX推進体制整備加算におけるマイナ保険証利用率について

    医療DX推進体制整備加算におけるマイナ保険証利用率について

    こんにちは、原嶋企画です。今回は表題のとおり、令和6年10月から適用とされていた、医療DX推進体制整備加算におけるマイナ保険証の実績の具体的な数字が厚生省より発表されました。当該項目について算定する予定の医療機関は、自院が要件を満たしているか確認をする必要があります。
     
    ◇医療DX推進体制整備加算1 ・・・ 11点
     (6)マイナンバーカードの健康保険証利用について、十分な実績を有していること。
    (新)マイナポータルの医療情報等に基づき、患者からの健康管理に係る相談に応じること。
     
    ◇医療DX推進体制整備加算2  ・・・ 10点
    (6)マイナンバーカードの健康保険証利用について、必要な実績を有していること。
     (新)マイナポータルの医療情報等に基づき、患者からの健康管理に係る相談に応じること。
     
    ◇医療DX推進体制整備加算3  ・・・ 8点
    (6)マイナンバーカードの健康保険証利用について、実績を有していること。

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    ※適用時期の3月前のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率を用いる。ただし、令和6年10月~令和7年1月は、適用時期の2月前のオンライン資格確認件数ベースマイナ保険証利用率を用いることもできる。
    ※令和7年4月以降のマイナ保険証利用率の実績要件は、附帯意見を踏まえ、本年末を目途に検討、設定される。

    ・レセプト件数ベース利用率 = マイナ保険証利用者数の合計 ÷ レセプト枚数
    (2か月後に把握可能→実績を3か月後から反映可能)
    ※原則は当該利用率を用いる。
     
    ・オンライン資格確認件数ベース利用率
    = マイナ保険証利用件数 ÷ オンライン資格確認等システムの利用件数
    (1ヵ月後に把握可能→実績を2カ月後から反映可能)
    ※令和7年1月まで当該利用率を用いることができる。

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    ※令和7年1月まで当該利用率を用いることができる。  ※マイナ保険証利用率の施設基準は届出不要。
    ※すでに医療DX推進体制整備加算の届出を行っている場合は届出直しは不要
    (新たに「医療DX推進体制整備加算」を届け出る場合は、届出手続きが必要)
    ※届出ていても、実績が基準に満たなくなった場合には算定できない。

    施設基準通知等の規定事項(案) 

    <届出に関する事項について>
    ・マイナ保険証利用率に関する施設基準については、毎月社会保険診療報酬支払基金から報告されるマイナ保険証利用率が当該基準を満たしていればよく、特に地方厚生(支)局長への届出を行う必要はないこと。

    ・すでに医療DX推進体制整備加算の施設基準を届け出ている保険医療機関・薬局は、届出直しは不要であること。ただし、すでに施設基準を届け出た保険医療機関・薬局において、マイナ保険証利用率要件が基準に満たない場合には、加算を算定できないこと。

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     現在ではあくまで「案」となっていますので、変更及び追加の可能性があります。
    当該項目は10月より、現行の点数から2〜3点増加となりました。
    加算1及び2については「マイナポータルの医療情報等に基づき、患者からの健康管理に係る相談に応じること」が施設基準の要件とされています。
    保険証利用率に関してはレセプト件数ベースが基本ですが、令和7年1月までに限りオンライン資格確認件数ベース利用率を用いることができます。前者は支払基金からのメール通知又は「医療機関等向け総合ポータルサイト」より確認ができ、2か月後に把握可能です。後者はそれより早い1ヵ月後に把握ができます。また、これらに代えて、その前月及び前々月のマイナ保険証利用率を用いることも可能とのことです。
    以上が令和6年10月より変更となる要件等になります。ご自身のクリニックの利用率について確認を行ったうえで、算定をするようにしましょう。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 査定事例 ~細菌培養同定検査の算定回数~

    査定事例 ~細菌培養同定検査の算定回数~

    こんにちは、原嶋企画です。今日は表題にありますように、実際にあった細菌培養同定検査の査定についてお話します。
     

    ◇査定項目 事由B 細菌培養同定検査(消化管)△190点
    (※改正前の為、200点でなく190点となっています。)
     
     本レセプトについては、嘔気及び血便症状のある患者に対してCSを実施し、感染性腸炎疑いにて盲腸・回盲部より細菌培養を提出。細菌培養同定検査(消化管)190点×2を請求したが、1回のみに査定。過剰・重複による査定となってしまいました。
    今回のケースは、担当看護師より細菌培養を盲腸と回盲部より2か所実施した旨の報告があり、請求事務担当が報告通り2部位として請求を行ったものでした。 
    細菌培養同定検査について、早見表に記載されている文言は以下のとおりです。
     
    ◇算定要件
    エ)症状等から同一起因菌によると判断される場合であって、当該起因菌を検索する目的で異なった部位から、又は同一部位の数か所から検体を採取した場合は、主たる部位又は1か所のみの所定点数を算定する。ただし、血液を2か所以上から採取した場合に限り、「3」の血液又は穿刺液を2回算定できる。この場合、「注1」及び「注2」の加算は2回算定できる。
     
    今回のレセプトでは「細菌培養同定検査190点×2」から「細菌培養同定検査190点×1」への査定です。算定要件にあるとおり、異なった部位から、又は同一部位の数か所から検体を採取しても1回しか算定できないとなります。ですが、「同一起因菌によると判断される場合」とありますので、起因菌が複数ある場合は認められるのではないかという解釈もできます。
     
     
     
     
    ◇査定理由
    異なった部位、同一部位から検体を採取した場合は主たる部位又は1か所しか算定できない。
     
    ◇対応策
    今回のケースでは、同一起因菌でないかということがひとつの焦点となります。医師に確認を行い、複数の起因菌を疑って行われたのであれば、詳記をつけて再請求を行う。同一起因菌であれば算定は原審どおり1回となる。

    レセプトは様々な職種が関わって完成します。医師は症状に対して必要である診療行為を判断し実施します。看護師も処置等を実施します。それらの請求を行うのは事務になります。算定要件である解釈や請求方法について先生方は事務を信頼して託しています。病名だけで請求するには不十分と思われる場合は、先生方に相談して詳記をつけるのが良いでしょう。請求に足るストーリーのあるレセプトを作成することが、審査側に理解してもらうための重要な要素になります。

    元記事: note(原嶋企画)

  • レセプトの請求期限は?

    レセプトの請求期限は?

    保険医療機関では、毎月10日までにレセプトを送信していると思います。ですが、毎月請求をしているレセプトにも請求期限があることはご存じでしょうか。どこまで、さかのぼって請求することが可能なのか。今回は請求期限についてお話します。
     
    ◇レセプトの請求期限は原則5年
    請求期限は民法によって定められており、以前までは3年間(訪問看護は2年)でしたが、令和2年4月1日より改正され原則5年間とされました。
    なお、その起算日については、社会保険は診療月の翌月1日、国民健康保険は診療月の翌々々月の1日、つまり3か月後とされています。

    ≪起算日の数え方≫ ※該当月の1日を起算日とする

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    例)国保の場合、令和6年7月のレセプトは、3か月後の令和6年10月1日が起算日となるので、請求権の時効は令和11年10月1日となります。 ・原則5年とは原則については民法に『消滅時効は「権利を行使することを得るとき」より進行するものであり、「権利を行使することを得る」とは「権利を行使することに法律上の障碍がない」ことである』と記載があります。つまり、権利を行使することができることを知った時から5年間となります。ですが、「請求権を行使できることを知らなかった」と考えられる特段の事情がある場合は別となります。 

    ・国保と社保で期限が違うのはなぜか
    請求権5年は民法で定められた期限ですが、請求権の時効起算日について健康保険法と国民健康保険法で異なるため違いが生じているものと考えます。過去に疑義照会が生じていました。いずれも昭和30年代のものにはなりますが、解釈の材料になるかと思います。
    ・診療報酬請求権の消滅時効について(◆昭和35年05月24日保険発第64号)
    ・診療報酬請求権の時効の起算日について(◆昭和38年01月18日保険発第7-2号)
     
    ・原審査査定及び再審査査定に対する再審査請求の時効
     基本的に再審査の申立ては原則6カ月以内を遵守するよう支払基金から通知がでています。[保険発第17号保険発第40号]
    国保連合会も同様に6カ月としています。
    ※当該保険医療機関等が当該請求権を行使することができることを知ったと考えられる特段の事情がある場合には、当該事情に照らし、その事情が認められる時(当該請求権を行使することができることを知った時)から5年間で消滅時効が完成することとなる。等とあり、民法上は以下のとおりとなっています。

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    ※原審査査定の起算日は請求権と同じく、国保は診療月の翌々々月1日、社保は診療月の翌月1日になります。再審査査定の場合は、再審査査定による減額後診療報酬支払日の翌月となります。  以上が、レセプトに関する期限についてのお話となります。色々と難しい言い回しや、各種通達があり判断が難しいことが多いと思います。資格確認等でレセプト請求が遅れることがあると思いますが、保留レセは速やかに処理し、請求期限を超えるレセプトが発生しないように努めましょう。レセプトに関してお困りのことがありましたら、是非お問い合わせください。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 査定事例 ~尿素呼気試験(UBT)~

    査定事例 ~尿素呼気試験(UBT)~

    今回、査定があった事例は「尿素呼気試験(UBT)」になります。
    何故査定されたのか、みていきましょう。

    ◇査定項目 尿素呼気試験(UBT)△70点 + 
    微生物学的検査判断料 △150点

    当該レセプトは、胃カメラにて胃炎の診断を受けた患者に対して、ヘリコバクター・ピロリ感染症の診断がなされ除菌及び除菌後感染診断を行ったものでした。 
    では算定要件を確認しましょう。
     
    ◇算定要件
    5 除菌後の感染診断(除菌判定)
    (1)除菌後の感染診断については、3の除菌終了後4週間以上経過した患者に対し、ヘリコバクター・ピロリの除菌判定のために2に掲げる検査法のうちいずれかの方法を実施した場合に1項目のみ算定できる。ただし、検査の結果、ヘリコバクター・ピロリ陰性となった患者に対して、異なる検査法により再度検査を実施した場合に限り、さらに1項目に限り算定できる。
     
    ◇査定理由
    除菌終了日から4週間経過していないにもかかわらず尿素呼気試験を実施。
     
    ◇対応策
    予約を取る際に、4週間以上経過しているか確認をする。

     
    本件については、除菌終了日から4週間経過していないにもかかわらず尿素呼気試験を実施していました。検査予約をする場合は除菌終了日がいつなのか、そこから4週間以上経過しているかを慎重に確認する必要があります。日々行っている業務でも再確認を行ったり、他の人にダブルチェックをしてもらうなど誤りを防ぐようにしていきましょう。
     
    また、ヘリコバクター・ピロリ感染の診断及び治療に関する請求については、取り決めが多く存在します。PPI製剤の休薬や、抗体測定実施は除菌終了後6カ月以上経過していることなど細かく算定要件が定められています。他にもレセプトコードの入力が必要です。請求する場合は注意しましょう。

    請求方法等で不明なことがありましたら、是非ご相談ください。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 査定事例 ~在宅自己注射における導入初期加算~

    査定事例 ~在宅自己注射における導入初期加算~

    こんにちは、原嶋企画です。
    今回は実際にあった査定事例についてお話させていただきます。
     
    ◇査定項目 事由D 導入初期加算(在宅自己注射指導管理料)△580点
     
     当該レセプトでは、在宅自己注射指導管理料を算定している糖尿病患者において、オゼンピックからトルリシティに処方変更したため、導入初期加算を算定しましたが、本件の導入初期加算の算定は認められず査定になりました。
    何故、査定されたのか理由を確認していきましょう。
    早見表に記載されている文言は以下のとおりです。
     
    ◇算定要件
    注3 処方の内容に変更があった場合には、(中略)当該指導を行った日の属する月から起算して1月を限度として、1回に限り導入初期加算を算定できる。
     
    (10)「注3」に規定する「処方の内容に変更があった場合」とは、処方された特掲診療料の施設基準等の別表第9に掲げる注射薬に変更があった場合をいう。また、先発バイオ医薬品とバイオ後続品の変更を行った場合及びバイオ後続品から先発バイオ医薬品が同一であるバイオ後続品に変更した場合には算定できない。なお、過去1年以内に処方されたことがある特掲診療料の施設基準等の別表第9に掲げる注射薬に変更した場合は、算定できない。
     
    今回のオゼンピック(セマグルチド)とトルリシティ(デュラグルチド)は、ともにGLP-1受容体作動薬になります。別表第9には「グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト」と記載されています。GLP-1受容体作動薬から別のGLP-1受容体作動薬への変更であり、「別表第9にある注射薬に変更があった場合」には該当しないために査定されたことがわかりました。
     
     
    ◇査定理由
    オゼンピックとトルリシティは両方ともGLP-1受容体作動薬のため、処方内容の変更には該当しない。
     
    糖尿病患者の在宅自己注射で処方内容に変更があった場合により算定できるのはインスリン製剤からGLP-1受容体作動薬へ変更となった場合、またはその逆の場合のみとなる。
     
    ◇対応策
    処方内容の変更で導入初期加算を算定する場合は、別表第9に掲げる注射薬の確認を行うことが必要である。
    ※過去1年以内に処方されたことがある特掲診療料の施設基準等の別表第9に掲げる注射薬に変更した場合は、算定できないので注意すること。
     
     
    今回の事例は、製造元での供給停止により注射薬の変更が必要になった為、発生しました。今後も同じような事例で注射薬が変更になることがあるでしょう。同じような査定を防ぐ為にも、インスリン製剤なのか、また算定要件にあてはまっているのか確認したうえで算定を行うようにしましょう。
    医療事務の方は、広い知識と読解力が求められ大変かと思いますが、ともに頑張っていきましょう。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 薬剤料の計算方法

    薬剤料の計算方法

    今回は、薬剤料の計算方法とルールについてお話します。

    日々の業務ではコンピュータが計算する為、自分自身で計算する機会は少ないと思います。ですが、計算方法を理解していれば様々な面で役に立ちます。患者さんなどから説明を求められた際にも、理解していることで分かりやすく説明できることで患者さんも安心して納得していただけます。どのように成り立っているのか知っておいて損はないと思います。

    では、簡単に解説させていただきます。

    ◇計算のルール◇

     ① 計算は所定単位ごとに行う
    内服薬・浸煎薬=1剤1日分
    頓服薬=1回分
    外用薬=1調剤
    これらが所定単位です。
     
    内服薬の1剤とは服用時点が同一のものになります。朝食後や毎食後といった服用するタイミングのことです。服用時点が異なれば2剤となります。
     
    ② 小数点以下は五捨五超入
    薬剤料、つまり点数計算するにあたり定められているのは
    薬価15円以下=1点
    薬価15円を超える場合=10円またはその端数を増すごとに1点加算
     という内容です。
    これが五捨五超入です。
    薬価である「円」から、薬剤料の「点数」に換算する場合は薬価を10で割り、
    算出された値に対して小数点以下を五捨五超入します。
    〈例:薬価25円=2.5=2点 薬価25.1円=2.51 =3点〉

    ③ 所定単位ごとの点数に投与単位を掛ける
    例1.
    Rp1)A錠15mg 3錠 (1錠5.6円) 分3毎食後 7日分
    Rp2)B錠10mg 3錠 (1錠3.6円) 分3毎食後 7日分
     
    服用時点が同じなので所定単位は1剤となります。また、内服薬は服用時点が同じであり、さらに投与日数も同じ場合は1調剤とされます。よって、今回は1剤1調剤になります。
     
    計算方法は「所定単位ごとの点数 / 10 × 処方日数 = 点数」です。
     
    ①    所定単位ごとの薬価を合算 = (5.6円×3錠)+(3.6円×3錠) = 27.6円
    ②    点数に換算(五捨五超入) = 27.6/10=2.76 = 3点
    ③    処方日数を掛ける 3×7= 21点
    したがって、薬剤料は21点となります。
     
    例2.
    A軟膏 5g (1g 19.1円)
    B軟膏 20g (1g 3.61円) 混合 1日2回 塗布 
    ※外用薬の場合は、混合する場合は1調剤となります。
     
    ①(19.1円×5g)+(3.61円×20g)=167.7
    ②167.7/10= 16.77 = 17点
    外用薬なので投与単位は1調剤となり、薬剤料は17点となります。

    以上が薬剤料の算定方法となります。実際は薬剤料以外に処方料など様々な加算をしたり、逓減などのルールを経て最終的な請求点数になります。診療報酬は細かく定められており、難しいと感じることが多いと思います。ですが、理解して自身の強みにしていくことが大切です。診療報酬の解釈などでわからないことがありましたらご相談ください。

    元記事: note(原嶋企画)

  • S2,3PSA%検査の保険適用について

    S2,3PSA%検査の保険適用について

    2024年2月1日付で保険適用された、新しい腫瘍マーカーである「S2,3PSA%」についてお話さ
    せていただきます。

    弘前大学の研究チームと富士フィルム和光純薬株式会社より臨床試験を経て保険適用されました。本検査はグレーゾーンと言われている「PSA検査結果4.0ng/mL以上10.0ng/mL以下である者」に対して高精度に鑑別できるものになります。これにより偽陽性に対する二次検査として実施することで、がんではない人に針生検等による侵襲性の高い精密検査を行うことを回避できると期待されています。

    ≪参考URL≫
    弘前大学プレス発表資料
    https://www.hirosaki-u.ac.jp/wp-content/uploads/2024/02/20240220_press.pdf
    中医協 臨床検査の保険適用について
    富士フイルム和光純薬

    ◇S2,3PSA・i50 248点

    ・前立腺がんであることが強く疑われる者であって、「前立腺特異抗原(PSA)」の結果が 4.0ng/mL以上10.0ng/mL以下である者に対して、LBA法(定量)により測定した場合に、原則として1回を限度として算定する。ただし、前立腺針生検法等により前立腺がんの確定診断がつかない場合においては、3月に1回に限り、3回を限度として算定できる。

    ・「前立腺特異抗原(PSA)」、「遊離型PSA比(PSA F/T比)」又は「プロステートヘルスインデックス(phi)」を併せて実施した場合は主たる検査のみ算定する。

    ・「前立腺特異抗原(PSA)」の結果判明後であれば、「前立腺特異抗原(PSA)」の実施から3月が経過していなくても算定できる。

    ・レセプト摘要欄に「前立腺特異抗原(PSA)」の測定年月日及び測定結果を記載する。また、本検査を2回以上算定する場合は、2回以上の実施が必要と判断した医学的根拠を併せて記載する。
    ※レセプト電算処理システム用コードあり

    《レセプト電算コード》
    850190221 前立腺特異抗原(PSA)の測定年月日 830100838 前立腺特異抗原(PSA)の測定結果 830100839 2回以上算定する必要性
    ※前回実施日(前立腺針生検法等により前立腺がんの確定診断がつかない場合)
    (初回の場合は、初回である旨を記載)
    850190220 前回実施年月日(S2,3PSA%)
    820190494 初回

    以上が算定要件等になります。

    欧米で特に多い前立腺がんですが、近年日本でも罹患数及び死亡者数が増加しています。前立腺がんは早期に発見し、適切な治療を行えば5年生存率は100%と言われています。ですが、発見が遅れ遠隔転移がんとなると5年生存率は53.4%と著しく低下するとされています。昨今は厳しい改定や仕組み等で、辟易することが多いですが、このように新しい検査が評価され保険適用される良いニュースがあるのは嬉しく思います。

    今後とも、皆様にお役立ていただけるように記事を作成させていただきますので宜しくお願い致します。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 療養の給付と直接関係ないサービス等とはいえないもの

    療養の給付と直接関係ないサービス等とはいえないもの

    今回は保険診療や診療報酬に含まれている、または関連しているとして請求ができない項目についておまとめしました。請求を行う際の参考にしていただければと思います。

    ◇療養の給付と直接関係ないサービス等とはいえないもの

    (1) 手技料等に包括されている材料やサービスに係る費用

    ・入院環境等に係るもの
    (例)シーツ代、冷暖房代、電気代(ヘッドホンステレオ等を使用した際の充電に係るもの等)、清拭用タオル代、おむつの処理費用、電気アンカ・電気毛布の使用料、在宅療養者の電話診療、医療相談、血液検査など検査結果の印刷費用等

    ・材料に係るもの
    (例)衛生材料代(ガーゼ代、絆創膏代等)、おむつ交換や吸引などの処置時に使用する手袋代、手術に通常使用する材料代(縫合糸代等)、ウロバッグ代、皮膚過敏症に対するカブレ防止テープの提供、骨折や捻挫などの際に使用するサポーター や三角巾、医療機関が提供する在宅医療で使用する衛生材料等、医師の指示によるスポイト代、散剤のカプセル充填のカプセル代、一包化した場合の分包紙代及びユニパック代 等

    ・サービスに係るもの
    (例)手術前の剃毛代、医療法等において設置が義務付けられている相談窓口での相談、車椅子用座布団等の消毒洗浄費用、インターネット等により取得した診療情報の提供、食事時のとろみ剤やフレーバーの費用 等

    (2) 診療報酬の算定上、回数制限のある検査等を規定回数以上に行った場合の費用(費用を徴収できるものとして、別に厚生労働大臣が定めるものを除く。) 

    (3) 新薬、新医療機器、先進医療等に係る費用

    ・医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年
    法律第145号)上の承認前の医薬品・医療機器(治験に係るものを除く。)

    ・適応外使用の医薬品(評価療養を除く。)

    ・保険適用となっていない治療方法(先進医療を除く。) 等

    以上が算定できない項目になります。混合診療等、算定できないものに対して請求を誤ってしてしまった場合は個別指導等での返還になる可能性もありますのでご注意ください。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 療養の給付と直接関係ないサービス等

    療養の給付と直接関係ないサービス等

    こんにちは、原嶋企画です。

    以前の記事では「混合診療」についてお話させていただきました。

    今回は、選定療養と評価療養とは別に、保険診療と併せて請求できる項目のまとめになります。
    保険診療を行うにあたって、治療(看護)とは直接関連のない「サービス」又は「物」について請求を行うことは認められています。

    以下が、そのいわゆる「療養の給付と直接関係ないサービス等」になります。

    (1)日常生活上のサービスに係る費用

    ・おむつ代、尿とりパット代、腹帯代、T字帯代 ・病衣貸与代(手術、検査等を行う場合の病衣貸与を除く。)
    ・テレビ代
    ・理髪代
    ・クリーニング代
    ・ゲーム機、パソコン(インターネットの利用等)の貸出し
    ・MD、CD、DVD各プレイヤー等の貸出し及びそのソフトの貸出し
    ・患者図書館の利用料 等

    (2)公的保険給付とは関係のない文書の発行に係る費用

    ・証明書代 (例)産業医が主治医に依頼する職場復帰等に関する意見書、生命保険等に必要な診断書等の作成代 等
    ・診療録の開示手数料(閲覧、写しの交付等に係る手数料)
    ・外国人患者が自国の保険請求等に必要な診断書等の翻訳料 等

    (3)診療報酬点数表上実費徴収が可能なものとして明記されている費用

    ・在宅医療に係る交通費
    ・薬剤の容器代 等

    (4)医療行為ではあるが治療中の疾病又は負傷に対するものではないものに係る費用

    ・インフルエンザ等の予防接種、感染症の予防に適応を持つ医薬品の投与
    ・美容形成(しみとり等)
    ・禁煙補助剤の投与(ニコチン依存症管理料の算定対象となるニコチン依存症(以下 「ニコチン依存症」という。)以外の疾病について保険診療により治療中の患者に対し、スクリーニングテストを実施し、ニコチン依存症と診断されなかった場合で あって、禁煙補助剤を処方する場合に限る。)
    ・治療中の疾病又は負傷に対する医療行為とは別に実施する検診(治療の実施上必要と判断し検査等を行う場合を除く。) 等

    (5)その他

    ・保険薬局における患家等への調剤した医薬品の持参料及び郵送代
    ・保険医療機関における患家等への処方箋及び薬剤の郵送代 
    ・日本語を理解できない患者に対する通訳料
    ・他院より借りたフィルムの返却時の郵送代
    ・院内併設プールで行うマタニティースイミングに係る費用
    ・患者都合による検査のキャンセルに伴い使用することのできなくなった当該検査に使用する薬剤等の費用(現に生じた物品等に係る損害の範囲内に限る。なお、検査の予約等に当たり、患者都合によるキャンセルの場合には費用徴収がある旨を事前に説明し、 同意を得ること。)
    ・院内託児所・託児サービス等の利用料
    ・手術後のがん患者等に対する美容・整容の実施・講習等
    ・有床義歯等の名入れ(刻印・プレートの挿入等)
    ・画像・動画情報の提供に係る費用(区分番号「B010」診療情報提供料(II)を算定するべき場合を除く。)
    ・公的な手続き等の代行に係る費用 等

    以上が算定できる具体例になります。請求する場合は院内掲示やホームページ掲載等規定がありますのでご注意ください。

    また、インフルエンザ等の予防接種や健康診断料金はクリニックによって金額設定が異なります。請求金額に診察料を含めて設定している場合は、保険診療で初再診料を算定することはできませんのでご注意ください。その場合のレセプトは「初診料(再診料)は健診にて算定済み」や 「自費にて算定」等のコメントをいれるようにして審査側がわかるようにしてください。

    元記事: note(原嶋企画)