「今日、スタッフが突然辞表を持ってきました。どうすればいいですか?」
これは、ちょこっと事務長に寄せられる相談の中でも、特に多いケースのひとつです。
突然の辞表は院長にとって頭が真っ白になる瞬間です。診察の合間に対応しなければならず、何をどう進めればいいか分からないまま時間だけが過ぎていく——そんな経験をされた先生も多いのではないでしょうか。
この記事では、現役事務長として多くのクリニックの人事対応を支援してきた経験をもとに、「辞表が出た当日にやること」を順番に解説します。
まず落ち着いて。辞表を受け取っても、その場で承認しなくてOK
辞表を渡された瞬間、反射的に「分かりました」と言ってしまう院長が多いのですが、その場で即決する必要はありません。
民法上、退職の意思表示から2週間で雇用契約は終了しますが、クリニックの場合はスタッフの引継ぎや人員補充の兼ね合いがあります。まずは「少し時間をください」と伝えて、落ち着いて状況を整理しましょう。
当日にやること3ステップ
ステップ1:退職理由を穏やかに確認する
感情的にならず、「どんなことが気になっていましたか?」と聞くのがポイントです。退職理由によっては、引き留めや条件改善で解決できるケースもあります。また、後々のトラブルを防ぐために「言った・言わない」を避けるためメモを残すことも重要です。
よくある退職理由:
- 人間関係のトラブル(スタッフ同士、または院長との関係)
- 給与・待遇への不満
- 家庭の事情・体調不良
- 別のクリニックや職場への転職
ステップ2:希望の退職日を確認する
「いつ頃を希望していますか?」と確認しましょう。法律上は2週間前で問題ありませんが、クリニックの実情に合わせて交渉することは可能です。ただし強引に引き留めることは避けてください。かえって関係が悪化し、残りの勤務期間が険悪になるリスクがあります。
ステップ3:引継ぎのスケジュールを大まかに決める
退職日が決まったら、残りの期間で何を引き継ぐかをリストアップします。特に医療事務のスタッフが辞める場合、レセプト業務や受付対応の引継ぎは早めに動き始める必要があります。
やってはいけないこと
感情的になった院長が陥りやすいNG対応があります。
- 即日解雇・退職を迫る:法的リスクあり。不当解雇として訴えられる可能性がある
- 有給の消化を拒否する:法律上、有給取得を拒否することはできません
- 退職金・未払い賃金の支払いを遅らせる:退職後の金銭トラブルの原因になります
- SNSや口コミへの報復:医療機関の評判に直結します
必要な書類と手続き(チェックリスト)
退職が確定したら、以下を順番に進めましょう。
- ☐ 退職届の受け取り(日付・署名入りのもの)
- ☐ 雇用保険の喪失届(退職日の翌日から10日以内)
- ☐ 健康保険・厚生年金の喪失届(退職日から5日以内)
- ☐ 源泉徴収票の発行(退職後1ヶ月以内)
- ☐ 離職票の発行(スタッフが希望する場合)
- ☐ 有給残日数の精算
これらの手続きは期限が決まっているものが多く、遅れると罰則が発生するケースもあります。
「これって専門家に相談すべき?」の判断基準
以下に当てはまる場合は、社労士や弁護士への相談を検討してください。
- スタッフから「ハラスメントがあった」と主張されている
- 試用期間中・育休中・産休中のスタッフから退職申し出がある
- 未払い残業代を請求されている
- 複数名が同時に退職する可能性がある
こういったケースは、対応を誤ると労働トラブルに発展することがあります。早めに専門家に相談することをお勧めします。
まとめ:一人で抱え込まないことが一番大切
スタッフの退職は、院長にとって精神的にも業務的にも大きな負担です。しかし、適切な順番で対応すれば、ほとんどのケースはスムーズに解決できます。
ちょこっと事務長では、こうした人事・労務のお悩みをLINEWorksでいつでも相談できます。「今日スタッフが辞表を出してきた」という緊急の場合でも、当日中に対応方針をお伝えすることが可能です。
まずは気軽にご相談ください。

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