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  • 2024年の最低賃金について

    2024年の最低賃金について

    先日、7月25日に開催された中央最低賃金審議会にて、今年度の地域別最低賃金額改定における、引き上げ額の目安が公表されました。全ランクに対して50円を目安として引き上げられます。この場合の全国加重平均は1,054円、引き上げ率5%となります。なお、前年度の全国加重平均の上昇額は43円、引き上げ率は4.5%でした。
    Aランクにおける、現在の最低賃金及び改定後の最低賃金は下図のとおりです。

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    最低賃金は毎年7〜8月頃に引き上げ額が決定され、10月頃に改定が実施されます。

    ◇ランクとは
    都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をABCの3ランクに分けています。
    現在はAランク6都府県、Bランク28道府県、Cランク13県になります。

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    ◇最低賃金とはなにか
    最低賃金とは、最低賃金法で定められた最低賃金額のことです。国が最低賃金額を定め、使用者は、最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければなりません。
    また、最低賃金の算出方法は時給・日給・月給によって異なります。
    簡単に言うと、基本給と言われるものが最低賃金に該当します。したがって、臨時に支払われる手当や賞与、残業代、通勤手当などは除外されます。
    最低賃金は1時間当たりの賃金になるため、時給の場合は時間給を上回っていれば問題はありません。日給の場合は手当がある場合は、手当込みで時間当たりの賃金を算出する必要があります。月給も同様に基本給と諸手当が算出の対象になります。
     
    ◇正式発表はいつになるのか
    毎年、7〜8月頃に改定額が決定され、10月頃に改定が実施されます。前年度の改定施行日は10月1日でした。現時点で発表がされたのは中央最低賃金審議会からになります。この後、地方最低賃金審議会で調査審議等を行い、各都道府県労働局長より地域別最低賃金額が決定されます。
     
    ◇改定時の注意点
    ・求人広告等の見直し
    求人を出す場合は最低賃金を下回らないようにしなければなりません。正式採用前でも、アルバイトでも最低賃金を下回ることはできません。HP等の採用内容の更新を忘れずに行ってください。また、他社と比較されて、時給が低い場合は応募数も下がる可能性があります。自社独自のアピールポイントなどの強みを決めておくとよいでしょう。
     
    ・人件費の見直し
    雇用される側は50円増えても大した額ではないと思う方が多いでしょう。ですが、経営者はそうではありません。従業員が多いほど、人件費は増大します。ですが正社員を減らしてパートを増やしても、扶養内、扶養控除で働きたいパートの場合は、今後所得条件が引き下がった場合は労働時間が少なくなり、結果として人手不足になる可能性があります。
    また、正社員の賃金が変わらず、非正規社員のみ賃金が上がる場合は、不満に思う社員も出る可能性があります。頑張っている社員からすると不平等と思われてしまうかもしれません。対応と対話が必要になるでしょう。
     
    ・業務の見直し
    この機会にDX化を進めるのもよいでしょう。初期投資に金額がかかっても未来の生産性を高めることは大切です。仮に、同じ業務を5人で時間をかけて行い、残業代が発生し、他の業務が滞り、集中力がなくなりミスが増えてしまった。とするよりもシステム化して2人で業務を行い、作業時間を短縮し残業代を減らす。空いた人員で他の業務にあたったり、新しい生産性のある仕事を生むこともできます。
     

    政府は、今後の目標として最低賃金額における全国加重平均1,000円を目標としています。現在、最低賃金893円の県がありますがAランクの都府県の場合は、全国平均目標に達したとしても平均を超えるので、雇用従業員数、雇用枠、雇用時間の見直しや業務フローについて見直し対応していかなければ経営悪化の恐れがあります。ですが、賃上げをすることで社員のモチベーションがあがる可能性もあります。何も言わず給与額を変更するのではなく、給与を増額することを伝え、ともに頑張ってほしいなど声にして伝えることが大切です。きちんと伝え合うことは、双方の共通意識と自覚を生みます。聞いてないから、知らないではなくなるのです。経営をする側は社員とコミュニケーションを行い、彼らの意欲を高めるよう働きかけることが必要となります。
    採用や経営など、何かお困りのことがありましたら、是非ご連絡ください。貴院の目指すビジョンを実現するお手伝いをさせていただきます。

    元記事: note(原嶋企画)

  • レセプトの請求期限は?

    レセプトの請求期限は?

    保険医療機関では、毎月10日までにレセプトを送信していると思います。ですが、毎月請求をしているレセプトにも請求期限があることはご存じでしょうか。どこまで、さかのぼって請求することが可能なのか。今回は請求期限についてお話します。
     
    ◇レセプトの請求期限は原則5年
    請求期限は民法によって定められており、以前までは3年間(訪問看護は2年)でしたが、令和2年4月1日より改正され原則5年間とされました。
    なお、その起算日については、社会保険は診療月の翌月1日、国民健康保険は診療月の翌々々月の1日、つまり3か月後とされています。

    ≪起算日の数え方≫ ※該当月の1日を起算日とする

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    例)国保の場合、令和6年7月のレセプトは、3か月後の令和6年10月1日が起算日となるので、請求権の時効は令和11年10月1日となります。 ・原則5年とは原則については民法に『消滅時効は「権利を行使することを得るとき」より進行するものであり、「権利を行使することを得る」とは「権利を行使することに法律上の障碍がない」ことである』と記載があります。つまり、権利を行使することができることを知った時から5年間となります。ですが、「請求権を行使できることを知らなかった」と考えられる特段の事情がある場合は別となります。 

    ・国保と社保で期限が違うのはなぜか
    請求権5年は民法で定められた期限ですが、請求権の時効起算日について健康保険法と国民健康保険法で異なるため違いが生じているものと考えます。過去に疑義照会が生じていました。いずれも昭和30年代のものにはなりますが、解釈の材料になるかと思います。
    ・診療報酬請求権の消滅時効について(◆昭和35年05月24日保険発第64号)
    ・診療報酬請求権の時効の起算日について(◆昭和38年01月18日保険発第7-2号)
     
    ・原審査査定及び再審査査定に対する再審査請求の時効
     基本的に再審査の申立ては原則6カ月以内を遵守するよう支払基金から通知がでています。[保険発第17号保険発第40号]
    国保連合会も同様に6カ月としています。
    ※当該保険医療機関等が当該請求権を行使することができることを知ったと考えられる特段の事情がある場合には、当該事情に照らし、その事情が認められる時(当該請求権を行使することができることを知った時)から5年間で消滅時効が完成することとなる。等とあり、民法上は以下のとおりとなっています。

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    ※原審査査定の起算日は請求権と同じく、国保は診療月の翌々々月1日、社保は診療月の翌月1日になります。再審査査定の場合は、再審査査定による減額後診療報酬支払日の翌月となります。  以上が、レセプトに関する期限についてのお話となります。色々と難しい言い回しや、各種通達があり判断が難しいことが多いと思います。資格確認等でレセプト請求が遅れることがあると思いますが、保留レセは速やかに処理し、請求期限を超えるレセプトが発生しないように努めましょう。レセプトに関してお困りのことがありましたら、是非お問い合わせください。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 査定事例 ~尿素呼気試験(UBT)~

    査定事例 ~尿素呼気試験(UBT)~

    今回、査定があった事例は「尿素呼気試験(UBT)」になります。
    何故査定されたのか、みていきましょう。

    ◇査定項目 尿素呼気試験(UBT)△70点 + 
    微生物学的検査判断料 △150点

    当該レセプトは、胃カメラにて胃炎の診断を受けた患者に対して、ヘリコバクター・ピロリ感染症の診断がなされ除菌及び除菌後感染診断を行ったものでした。 
    では算定要件を確認しましょう。
     
    ◇算定要件
    5 除菌後の感染診断(除菌判定)
    (1)除菌後の感染診断については、3の除菌終了後4週間以上経過した患者に対し、ヘリコバクター・ピロリの除菌判定のために2に掲げる検査法のうちいずれかの方法を実施した場合に1項目のみ算定できる。ただし、検査の結果、ヘリコバクター・ピロリ陰性となった患者に対して、異なる検査法により再度検査を実施した場合に限り、さらに1項目に限り算定できる。
     
    ◇査定理由
    除菌終了日から4週間経過していないにもかかわらず尿素呼気試験を実施。
     
    ◇対応策
    予約を取る際に、4週間以上経過しているか確認をする。

     
    本件については、除菌終了日から4週間経過していないにもかかわらず尿素呼気試験を実施していました。検査予約をする場合は除菌終了日がいつなのか、そこから4週間以上経過しているかを慎重に確認する必要があります。日々行っている業務でも再確認を行ったり、他の人にダブルチェックをしてもらうなど誤りを防ぐようにしていきましょう。
     
    また、ヘリコバクター・ピロリ感染の診断及び治療に関する請求については、取り決めが多く存在します。PPI製剤の休薬や、抗体測定実施は除菌終了後6カ月以上経過していることなど細かく算定要件が定められています。他にもレセプトコードの入力が必要です。請求する場合は注意しましょう。

    請求方法等で不明なことがありましたら、是非ご相談ください。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 査定事例 ~在宅自己注射における導入初期加算~

    査定事例 ~在宅自己注射における導入初期加算~

    こんにちは、原嶋企画です。
    今回は実際にあった査定事例についてお話させていただきます。
     
    ◇査定項目 事由D 導入初期加算(在宅自己注射指導管理料)△580点
     
     当該レセプトでは、在宅自己注射指導管理料を算定している糖尿病患者において、オゼンピックからトルリシティに処方変更したため、導入初期加算を算定しましたが、本件の導入初期加算の算定は認められず査定になりました。
    何故、査定されたのか理由を確認していきましょう。
    早見表に記載されている文言は以下のとおりです。
     
    ◇算定要件
    注3 処方の内容に変更があった場合には、(中略)当該指導を行った日の属する月から起算して1月を限度として、1回に限り導入初期加算を算定できる。
     
    (10)「注3」に規定する「処方の内容に変更があった場合」とは、処方された特掲診療料の施設基準等の別表第9に掲げる注射薬に変更があった場合をいう。また、先発バイオ医薬品とバイオ後続品の変更を行った場合及びバイオ後続品から先発バイオ医薬品が同一であるバイオ後続品に変更した場合には算定できない。なお、過去1年以内に処方されたことがある特掲診療料の施設基準等の別表第9に掲げる注射薬に変更した場合は、算定できない。
     
    今回のオゼンピック(セマグルチド)とトルリシティ(デュラグルチド)は、ともにGLP-1受容体作動薬になります。別表第9には「グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト」と記載されています。GLP-1受容体作動薬から別のGLP-1受容体作動薬への変更であり、「別表第9にある注射薬に変更があった場合」には該当しないために査定されたことがわかりました。
     
     
    ◇査定理由
    オゼンピックとトルリシティは両方ともGLP-1受容体作動薬のため、処方内容の変更には該当しない。
     
    糖尿病患者の在宅自己注射で処方内容に変更があった場合により算定できるのはインスリン製剤からGLP-1受容体作動薬へ変更となった場合、またはその逆の場合のみとなる。
     
    ◇対応策
    処方内容の変更で導入初期加算を算定する場合は、別表第9に掲げる注射薬の確認を行うことが必要である。
    ※過去1年以内に処方されたことがある特掲診療料の施設基準等の別表第9に掲げる注射薬に変更した場合は、算定できないので注意すること。
     
     
    今回の事例は、製造元での供給停止により注射薬の変更が必要になった為、発生しました。今後も同じような事例で注射薬が変更になることがあるでしょう。同じような査定を防ぐ為にも、インスリン製剤なのか、また算定要件にあてはまっているのか確認したうえで算定を行うようにしましょう。
    医療事務の方は、広い知識と読解力が求められ大変かと思いますが、ともに頑張っていきましょう。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 標榜診療科名について

    標榜診療科名について

     患者さんが医療機関を受診する際に考えることは、「何科に行けば良いのか」です。自分の症状にあった適切な医療機関を探すにあたり、診療科名は重要な指針となります。その為、医療機関は医療法により定められた診療科を標榜しなければなりません。今回は、標榜診療科名に関するルールについてお話させていただきます。
     
     基本的には「内科や外科などの単独名称」を標榜診療科名とし、「呼吸器内科」「糖尿病・代謝内科」等といった単独可能な診療科名と定められた区分等による名称を組み合わせることが可能となっています。
     
    具体的には下記のとおりとなります。

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     【組み合わせのルール】
    ・(a)~(d)の異なる区分の語句はそのままつなげて使用することができる。
    ・(a)~(d)で同じ区分の語句を使用する場合は、「・」などで区切る必要がある。
     (例:老人・小児内科)
     ※不合理な組み合わせは不可。

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    これらが、定められているルールになります。
     
    現在では、「神経科、呼吸器科、消化器科、胃腸科、循環器科、皮膚泌尿器科、性病科、こう門科、気管食道科、女性科、老年科、化学療法科、疼痛緩和科、ペインクリニック科、糖尿病科、性感染症科」は広告することが認められていません。
     
    また、医師一人に対して主たる診療科名を原則2つ以内とし、診療科名の広告に当たっては、主たる診療科名を大きく表示するなど、他の診療科名と区別して表記することが望ましいとされています。
     
    このように、医療に係る広告規制は厳しく定められています。ですが、Webサイトなどの場合は要件を満たすことで制限事項が一部解除されるなど様々なルールがあります。診療科名は先生方の専門分野や提供したい医療をアピールする大切な事柄であり、集患対策にもつながる要素でもあります。標榜診療科名でお悩みのことがありましたら、是非ご相談ください。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 診療所における書類の保存期間について

    診療所における書類の保存期間について

    現在ではデジタル化という言葉が当たり前となり、多くの医療機関で電子カルテが浸透しています。ですが、医療機関が完全にペーパーレス化する日は遠いでしょう。永続的に増え続ける紙媒体の書類の置き場で困っている方は多いと思います。
    今回は、保存期間や保存方法についてお話させていただきます。 

    ≪診療所における書類の保存期間≫

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    これらは診療所においての取り決めとなり、病院や特定機能病院等によって対象項目が異なってきます。また、同じ書類でも医療法や療養担当規則等、条例によって保存期間が異なるものが多々あります。そのことから保険医療機関においては、どの書類であっても完結の日の翌日から5年保存とするところが多いです。

    また、保存期間を過ぎても必要になり得る可能性を考えると破棄を行うことは難しく感じるでしょう。最終的には医療機関としてのルールを決めることになります。書類保存に関する法令は非常に多く多岐に渡ります。破棄を行う場合は法令を確認をしたうえで破棄するようにしてください。

    ≪保管方法≫

    ◇院外保管
    自院での保管以外に外部委託による保管サービスがあります。預けるのは個人情報ですのでセキュリティ対策がなされていることが重要です。

    ◇電子保存
    電子データでの保存に関しては、厚生労働省のガイドラインに細かく定められています。よくある誤解は「PDF化したスキャン文書は電子保存とみなされる」ということです。
    電子証明及びタイムスタンプがないスキャン文書は原紙とは認められず、ただの参照用データにすぎません。電子保存を検討している場合はガイドラインを確認し、導入するメーカーが対応可能かどうか確認をしてください。

    他にも書類の保存等についてお困りのことがあれば、是非ご相談ください。
     

    元記事: note(原嶋企画)

  • レセプトの査定・返戻とは

    レセプトの査定・返戻とは

    医療機関は毎月10日に支払基金・国保連合会へレセプトを請求します。診療報酬の原資は国民が納付する税金や保険料等です。診療報酬は医療法や療養担当規則等を遵守し行った医療行為に対して支払われるものになるので、第三者である審査機関が適正か審査し判断をします。今回は保険請求に係る査定・返戻の基礎知識についてお話いたします。

    【返戻とは】

    審査の結果、記載事項の不備や不明等により、医療行為の適否の判断ができなかった場合など、請求内容に疑義が生じた場合にレセプトが医療機関に差し戻されることを返戻といいます。返戻事例で多いのは保険証の登録誤りや氏名等患者データの誤りです。保険証をスキャン・コピーするなど地道な対策が重要です。
    返戻内容に対して修正・追記等を行い再請求が可能ですが、診療報酬の支払いが遅れるので該当件数が多いと経営に影響が出ます。

    【査定とは】

    審査の結果、保険診療のルール上不適当であると判断された場合に減点、調整されることを査定と言います。医療機関には「増減点連絡書(通知書)」にて通知されます。
    また、査定事由ごとに記号が定められています。
    〔A〕    医学的に適当と認められないもの(病名漏れ、薬剤や診療行為の適応外等)
    〔B〕    医学的に過剰、重複と認められるもの(薬の過剰投与、診療行為の過剰等)
    〔C〕    A・B以外の医学的理由により適当と認められないもの(薬剤禁忌等)
    〔D〕   告示・通知に示された算定要件に診療行為が合致してないと思われるもの
       (告示や通知、疑義解釈等に示された算定要件に合わないもの)
    〔J〕 縦覧点検によるもの
    (過去のレセプトと併せて審査する。
     3月に1回等算定期間が定められている診療行為等)
    〔Y〕 横覧点検によるもの
    (入院・外来レセプトを照合したもの。退院後1ヵ月以内は算定不可等)
    〔T〕 突合点検によるもの
    (薬局のレセプトと照合される。院外処方箋を発行した医療機関から減点される)
    〔F~K〕事務上に関するもの
    (F固定点数誤り、G請求点数集計誤り、H縦計計算誤り、Kその他)

    ※都道府県によって、記号等の表現が異なることがあります。
     

    査定に対しては、再審査請求(医療機関再審査)をすることができます。支払基金・国保連合会の定めた様式を作成し請求します。再審査請求期限は原則6カ月となります。再審査の結果、請求が認められると「復活」「一部復活」として後日、診療報酬が支払われます。「原審通り」となると請求は認められません。また、保険者が審査支払機関の結果に納得がいかない場合に行われる再審査(保険者再審査)も存在します。
     
    診療報酬は医療機関の経営を支える要となります。患者さんから信頼され、地域に必要とされる医療機関であっても診療報酬を疎かにしてしまえば自院の存続に影響が生じます。

    審査機関側は機械的な審査を進めています。医療機関側もレセプトチェックソフトの導入や自院用のカスタマイズ、査定返戻対策を行い診療報酬の減収を防ぐことが重要になります。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 薬剤料の計算方法

    薬剤料の計算方法

    今回は、薬剤料の計算方法とルールについてお話します。

    日々の業務ではコンピュータが計算する為、自分自身で計算する機会は少ないと思います。ですが、計算方法を理解していれば様々な面で役に立ちます。患者さんなどから説明を求められた際にも、理解していることで分かりやすく説明できることで患者さんも安心して納得していただけます。どのように成り立っているのか知っておいて損はないと思います。

    では、簡単に解説させていただきます。

    ◇計算のルール◇

     ① 計算は所定単位ごとに行う
    内服薬・浸煎薬=1剤1日分
    頓服薬=1回分
    外用薬=1調剤
    これらが所定単位です。
     
    内服薬の1剤とは服用時点が同一のものになります。朝食後や毎食後といった服用するタイミングのことです。服用時点が異なれば2剤となります。
     
    ② 小数点以下は五捨五超入
    薬剤料、つまり点数計算するにあたり定められているのは
    薬価15円以下=1点
    薬価15円を超える場合=10円またはその端数を増すごとに1点加算
     という内容です。
    これが五捨五超入です。
    薬価である「円」から、薬剤料の「点数」に換算する場合は薬価を10で割り、
    算出された値に対して小数点以下を五捨五超入します。
    〈例:薬価25円=2.5=2点 薬価25.1円=2.51 =3点〉

    ③ 所定単位ごとの点数に投与単位を掛ける
    例1.
    Rp1)A錠15mg 3錠 (1錠5.6円) 分3毎食後 7日分
    Rp2)B錠10mg 3錠 (1錠3.6円) 分3毎食後 7日分
     
    服用時点が同じなので所定単位は1剤となります。また、内服薬は服用時点が同じであり、さらに投与日数も同じ場合は1調剤とされます。よって、今回は1剤1調剤になります。
     
    計算方法は「所定単位ごとの点数 / 10 × 処方日数 = 点数」です。
     
    ①    所定単位ごとの薬価を合算 = (5.6円×3錠)+(3.6円×3錠) = 27.6円
    ②    点数に換算(五捨五超入) = 27.6/10=2.76 = 3点
    ③    処方日数を掛ける 3×7= 21点
    したがって、薬剤料は21点となります。
     
    例2.
    A軟膏 5g (1g 19.1円)
    B軟膏 20g (1g 3.61円) 混合 1日2回 塗布 
    ※外用薬の場合は、混合する場合は1調剤となります。
     
    ①(19.1円×5g)+(3.61円×20g)=167.7
    ②167.7/10= 16.77 = 17点
    外用薬なので投与単位は1調剤となり、薬剤料は17点となります。

    以上が薬剤料の算定方法となります。実際は薬剤料以外に処方料など様々な加算をしたり、逓減などのルールを経て最終的な請求点数になります。診療報酬は細かく定められており、難しいと感じることが多いと思います。ですが、理解して自身の強みにしていくことが大切です。診療報酬の解釈などでわからないことがありましたらご相談ください。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 長期収載品の選定療養に関する処方箋の見方

    長期収載品の選定療養に関する処方箋の見方

    本日は先日お話しました、長期収載品の選定療養に関して院外処方箋の様式等のポイントをお話させていただきます。現行、院外処方箋には後発医薬品に対して変更不可欄があります。今回の改定に伴い変更がいくつかありますので、チェックしていきましょう。
     
    変更箇所は以下の部分となります。

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    左側の変更不可欄に「医療上必要」の旨が追記され、その右隣に「患者希望」欄が追加されました。これらの変更点により、処方欄右上にある文言も変更になっています。
    したがって、今後は
     
    ・「変更不可」欄に「レ」又は「×」を記載する場合・・・保険給付の対象
    ・「患者希望」欄に「レ」又は「×」を記載する場合・・・選定療養の対象
     
    となります。

    また、処方医は選定療養に係る処方を行うにあたり、患者に対して「後発医薬品が選択可能」「長期収載品希望の場合は選定療養として料金が発生する」等、十分な説明を行う必要があります。また、医療上の必要性の観点から後発医薬品を使用することに差し支えがないと判断し、長期収載品について患者の希望がない場合は一般名処方を行うことが望ましい。とされています。
     

    ◇院外処方箋の記載について

    《先発医薬品を処方する場合》 
    ・医療上の必要性があるため、後発医薬品に変更することに差し支えがあると判断した場合は「変更不可(医療上必要)」欄に「レ」又は「×」を医薬品ごとに記載する。
    かつ「保険医署名」欄に署名または記名・押印する。
    ・患者の希望を踏まえて、長期収載品を銘柄処方する場合には「患者希望」欄に「レ」又は「×」を医薬品ごとに記載する。
     
    《一般名処方する場合》
    ・一般名処方の場合は「変更不可(医療上必要)」欄及び「患者希望」欄のいずれにも、「レ」又は「×」を記載しない。
     
    ※一般名処方の処方箋を保険薬局に持参した患者が長期収載品を希望した場合は、選定療養の対象となる。
     
    《従前の処方箋を使用する場合》
    本改定により、処方箋様式が変更されることとなりましたが、当分の場合は経過措置が設けられ手書き等による修正でも可能です。その場合は次のような対応となります
     
    ・医療上の必要性があり後発医薬品不可の場合・・・従前の処方箋にある「変更不可」欄に「レ」又は「×」を医薬品ごとに記載し、「医療上必要」と記載。「保険医署名」欄に署名または記名・押印する。
    ・患者希望で長期収載品を銘柄処方する場合・・・処方薬の近くに「患者希望」と記載する。医薬品ごとに、保険薬局へ明確に伝わるようにする。
     
    以上が、院外処方箋における取り決めになります。
    また、銘柄処方された長期収載品であって、「変更不可」欄に「レ」又は「×」が記載されておらず、また、「患者希望」の記載がない長期収載品の取り扱いについては、保険薬局において長期収載品を調剤した場合に選定療養の対象となるか否か判断する。と記載されていますのでお気を付けください。

    ◇その他の注意点 

    《レセプト記載要項》 
     長期収載品について、医療上の必要性があるため「変更不可」欄に「レ」又は「×」を記載して処方箋を交付する場合は理由について、今後、別表Ⅰに示す項目を参照して記載すること。とありますのでレセプト電算処理システム用コード及びレセプト表示文言は追って示される予定となっています。また院内処方についても同様とされています。
     
    なお、院内処方におけるレセプトには当該医薬品名の後に(選)を記載し、選定療養に係る額を除いた薬価による点数を記載することとなります。これは注射も同様です。
     
    〔記載例〕
    ●●●錠(選) 1錠
    ○○○錠 1錠 17×5
     
     
    《領収書について》 
    患者から長期収載品の処方等又は調剤に係る特別の料金の費用徴収を行った保険医療機関または保険薬局は、患者に対し保険外併用療養費の一部負担に係る徴収額と特別の料金に相当する自費負担に係る徴収額を明確に区分した当該費用徴収に係る領収書を交付する。

     
    以上が長期収載品の選定療養に係る処方を行う際の注意点となります。
    先日の記事でお伝えしたとおり、院内掲示も必要になります。またウェブサイトがある場合は、ウェブサイトへの掲載も必要になりますのでご注意ください。

    元記事: note(原嶋企画)

  • 2024年10月より始まる「長期収載品の選定療養」について

    2024年10月より始まる「長期収載品の選定療養」について

    今回は、2024年度改定にて定められた「長期収載品の選定療養」について解説させていただきます。まず、長期収載品とは後発医薬品(ジェネリック医薬品)のある先発医薬品のことです。選定療養とは患者さんが自ら選択するもので、大病院にかかる際の紹介状なしの初診料や差額ベッド代などがあります。

    (選定療養については、こちらの記事で説明しておりますので、ご参照ください。)

    要約しますと、原則として自らの希望により後発品があるにも関わらず、先発品を選ぶ場合は医療費をプラスで徴収するという制度になります。

    ◇長期収載品の選定療養とは何か◇

    《対象となるもの》
    ・患者希望で後発医薬品でなく、先発医薬品(長期収載品)を選択した場合
    ・対象の長期収載品は「後発医薬品上市から5年以上経過(置換率1%未満を除く)」または「後発医薬品への置換率50%以上」のもの
    ・長期収載品薬価が、後発医薬品のうち最も薬価が高いものの薬価を超えていること
    ※前提として「患者に対して長期収載品の処方等又は調剤に関する十分な情報提供がなされ、医療機関又は薬局との関係において患者の自由な選択と同意があった場合に限られる」とされています。

    《対象外のもの》
    ・医療上の必要性があると認められる場合(医師または薬剤師の判断による)
    ・後発医薬品の在庫がない等、後発医薬品を提供することが困難な場合
    ・入院中の患者
    ・バイオ医薬品

    これらが長期収載品の選定療養の対象条件となります。長期収載品には準先発医薬品も含まれます。
    対象の長期収載品については、厚生省のHPをご参照ください。
    厚生省資料 長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養の対象医薬品について

    ◇選定療養の負担◇

    では、実際の患者負担額はどのようになるのでしょうか。負担対象は以下のとおりです。

    ・長期収載品と後発医薬品の価格差4分の1相当分。(残り4分の3は保険給付)
    ・選定療養には消費税が課税される。

    画像
    参考資料:中医協総会(第573回)議事録

    上の図は価格差4分の1について決定される前なので、●円となっています。
    計算方法については、1/4の選定療養分を算出し、その値を長期収載品薬価から引き、負担割合を乗じた数値と、最初に算出した選定療養分1/4に税を乗じた数値を合算すると患者負担額になります。
     
    ※ 患者負担額=差額の選定療養分1/4×税+自己負担割合分(1~3割)

    《計算方法例》
    ① 差額の選定療養分1/4を算出
    長期収載薬価200円-後発医薬品薬価100円=価格差100円÷4=25円

    ② 選定療養患者負担分を算出
    25円×消費税=27.5円

    ③ 患者負担割合分を算出(自己負担3割の場合)
    長期収載品薬価200円-25円=175円
    175円×負担割合3割=52.5円

    ④ それぞれの負担分を合計
    27.5円+52.5円=80円(患者負担額) となります。

    なお、本項目については院内掲示及びウェブサイトによる掲載が必要になります。ウェブサイトについては2025年5月31日までは経過措置の対象となります。また、選定療養としての地方厚生局長等への報告は不要です。

     国は、後発医薬品の数量シェアを2029年度末までに全国80%以上とすることを目標にしています。この目標は2023年度末までに達成するよう掲げられたものでしたが、到達できず継続目標となりました。国民皆保険制度を維持し、医療財源を確保するためとされています。医療業界だけでなく患者さんも、自身の負担する医療費が増えることで注目される改定内容になるでしょう。今後、ニュース等で報道されれば質問される機会も増えてきます。医療機関で働くスタッフは制度内容を理解し、説明できるようになると良いでしょう。

    元記事: note(原嶋企画)